西陣織 十二単(じゅうにひとえ)
平安時代中期以後、公家女子正装として、十二単といわれる服装が定着し、その当時から、現在の「西陣」と呼ばれる地域で織られてきました。
平安時代の華と言われる十二単は、正式には女房にょうぼう装束しょうぞくと言い、白小袖・単・五ツ衣・打衣・表衣・唐衣・裳と何枚もの衣を重ね着するところから、その様に呼ばれる様になり、12枚とは限らず、多いものでは25枚位も重ねたようです。
材質やカラーは、身分、年令、未婚・既婚、季節などを表現しており、当時の女性は、色彩の組み合わせでファッションを競ったとされています。
(所蔵:西陣織会館)
タペストリー 西陣爪掻本綴織「風神雷神図」
製作期間:伝統的な爪掻本綴れ技法により7年の歳月をかけて製織
制作伝統工芸士:風神:平野喜久夫、野秋喜三 雷神:不破恵美子、中尾友美
原画:俵屋宗達筆 国宝「風神雷神図」2曲1双 江戸時代 17世紀 建仁寺
金地に無限に広がる空間のなかで躍動する風神と雷神の磊落らいらくな造形が見どころ。
技法:西陣爪掻本綴織
ノコギリ歯のようにギザギザに刻まれた爪先で、文様となる糸を1本1本、掻き寄せて織り描く。「日に寸、五日に寸、十日に寸」と伝えられるほどの月日と高度な技術を要し、複雑な文様になると1日にわずか1cm四方しか織り進めないものもある。平織を利用した綴織は、緯糸で文様を織り出すため、経糸より3~5倍も密度の大きい緯糸を使い、経糸を包み込むようにして織っていく。このため織物の表面には経糸は見えない。また文様はジャカードの作用によらず部分ごとに織り上げていくので、無地の部分を除いて織巾全体に緯糸が通らず、文様の色糸と色糸の境目に隙間が出来るのが特徴である。
田畑コレクション
縮緬地貝桶文様友禅染裾模様(三枚襲)
大正時代 人間国宝 三代 田畑 喜八作
鬼縮緬と呼ばれるシボの高い生地に、友禅染を主体に刺繍を加えて、実に細かく丹念な技術が施されている。
三領とも同じ貝桶文様であるが、三領各々に少し違った文様で、八掛にも表と同じ表現が見られるのは、当時の祝儀用の礼服としての極致である。
下から浅黄地、紅地、黒地の順で着重ねるが、これ以後、上衣の黒が留袖、紅が色留袖などとして普及した。
五代 田畑 喜八 識
昭和31年丹後ちりめん縫取り訪問着
昭和31年東宝の女優さんをモデルとして起用し着用したきものです。一越の生地に足利時代の辻が花染にヒントを得て肩にはツバキの模様を配し、裾には同時代の菊や桐の模様を紅梅、ピンク、アサギ、金茶色に配した若々しい清純な趣を現した友禅併用の縫取訪問着です。
2020年に丹後産地を代表する絹織物「丹後ちりめん」は創業300年を迎えました。1300年つづく絹織物産地「丹後」に、革命的な変化を与えた丹後ちりめん。
2020年には丹後ちりめん創業300年アンバサダーに就任いただいたシーラ・クリフさんに現代のコーディネートで着用いただきました。65年もの時代を超えて蘇った訪問着です。
丹後織物求評会入賞作品
昭和49年度第30回丹後織物求評会
通商産業大臣賞受賞
『梨地意匠ちりめん』大啓産業株式会社
昭和50年度第31回丹後織物求評会
通商産業大臣賞受賞
『駒意匠ちりめん』 伊達 五一
昭和51年度第32回丹後織物求評会
通商産業大臣賞受賞
『綾意匠ちりめん』 大啓産業株式会社
京手描友禅振袖
「絞り取方花笠」
木村染匠㈱
京都商工会議所会頭
桶出しの染め分けで全体を構成し、バラ疋田を散らし、メインには細密な花笠を華麗に描く
京手描友禅訪問着
「松竹梅」
㈱京染せい山
京都織物卸商業組合理事長賞
洒脱な枝に松竹梅を描く、バックには金彩の雲取りを配す
訪問着「桜」
上村米重
第26回京手描友禅作品展 伝統的工芸品産業振興協会賞
奈良の藤原京址の堤と桜をモチーフにして飛鳥の山々をバックにして万葉の雰囲気を醸し出すことに注力しました。糸目友禅にローケツ技法を併用し、奥行きのある風景を表現しました。
訪問着「菜の花」
上村米重
第23回京手描友禅作品展 京都リビング新聞社賞
京都大原野の山野に一面に咲く菜の花畑があります。遠近の表現をローケツの吹雪を多用して印象派のような柔らかさと深みを表すことに挑戦してみました。
無双訪問着「潮騒」
木戸源生
第28回京手描友禅作品展 京都商工会議所会頭賞
いまではすっかり目にする機会がなくなった漁村の千網の風景を手描き本糸目友禅にて表現しました。
単衣訪問着「立夏」
木戸源生
第28回日本染織作家展 文部科学大臣奨励賞
秋田に旅したある日。沢で見つけた三ツ柏の可憐な花に魅せられ、爽やかに手描本友禅にて表現しました。
京都友禅協同組合
岡山工芸
訪問着「暁(あかつき)」
第72回全国小紋友禅染色競技会 経済産業大臣賞 令和5年度
「太陽が昇り始める夜明け、明け方の空の情景を濡れ描技法で表現。全体を水で濡らし多くの色をぼかして重ねることで生まれる美しいグラデーションが魅力
岡山工芸
訪問着「鷺(さぎ)」
第74回京友禅競技大会 近畿経済産業局長賞 令和4年度
「水辺に立つ2羽の美しい水鳥、鷺を素描で表現。水のゆらめき、空への飛翔感を寒色系の色でまとめた濡れ描の訪問着」
岡山工芸
訪問着「月下美人」
第65回京友禅競技大会 京都和装財団理事長賞 平成25年度
「一夜限りに咲くと言われる美しく短命な月下美人。宵闇に咲くはかない美しさを繊細なタッチで描いています。」
岡山工芸㈱
第27回工芸染匠作品展覧会 京都市長賞 平成22年度
「京の名工展」出品作品
「まだ寒さの残る早春。桜の大木は静かな佇まいですが、白木蓮や白梅は咲き始め、あたりにかぐわしい香りを残します。濡れ描技法。」
㈲吉江染工場
訪問着
第73回京友禅競技大会 経済産業省製造産業局長賞 令和3年度
「3組の型を使い、配置を計算し、組み合わせに工夫を凝らしました。型の重ねや複数回の引染で、微妙なトーンの描き分け、滝のしぶきや臨場感を表現しました」
吉村㈱ 振袖
第74回京友禅競技大会 京都市長賞 令和4年度
「几帳を大胆な構図で表現しました。」
京都友禅協同組合
京染 佐々木染工
振袖
第74回京友禅競技大会 京都商工会議所会頭賞 令和4年度
「波に毬、四季の花々をふんだんに配し、伝統的な板場友禅の技術で重厚で格調高い振袖に仕上げました。」
吉村㈱ 振袖
第73回京友禅競技大会 近畿経済産業局長賞 令和3年度
「菊菱を背景におき、松竹梅を大胆なデザインで表現しました。」
京友禅協同組合連合会
安藤染工 振袖
第73回京友禅競技大会 京都商工会議所会頭賞 令和3年度
「桜に松、山取り柄の振袖。流水を効果的に配し、流れのあるデザインにまとめました。」
丸染工㈱ 振袖
第74回京友禅競技大会 経済産業省製造産業局長賞 令和4年度
「菊の匹田詰と桜の割り付けの組み合わせをシンプルな配置、黒白コントラストでまとめました」
京都工芸染匠協同組合
京手描友禅訪問着
「遠山霞」
㈱に志山染匠
工芸染匠作品展覧会 出展作品
山々が霞の中に重なり、幽玄の世界を創りだしていく様を、無線友禅で表現した訪問着
京都工芸染匠協同組合
京手描友禅訪問着
「築山に琳派秋草」
あめや藤本
第68回全国小紋友禅染色競技会
伝統的工芸品産業振興協会賞
築山を金彩や吹雪で表現し、琳派の秋草として菊・蔦・萩などを白上げ友禅で描く
京手描友禅振袖
「絞り取方花笠」
木村染匠㈱
京都商工会議所会頭賞
桶出しの染め分けで全体を構成し、バラ疋田を散らし、メインには細密な花笠を華麗に描く
京手描友禅振袖
「丸に更紗」
藤理工芸㈱
花の丸に更紗を詰めて、地には三日月を割付文様でリズミカル表現した振袖
京手描友禅振袖
「孔雀」
㈲藤沢刺繍
孔雀の羽を繊細な糸目友禅で描き、挿し友禅と金彩・刺繍などで豪華に染めた振袖
京手描友禅色留袖
「老松に蒔糊霞」
タケハナ染匠
細密な友禅の老松に松毬をメインとして、バックに色蒔糊を霞風に染める
京手描友禅染帯
「嵐山の冬」
㈱桂川染匠
第60回工芸染匠作品展覧会
財)京染会賞
嵐山の老松と下笹が冬の雪持ちの景色をなしている。
嵐山の冬を描写し染めた染帯。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
近畿経済産業局長賞
機業名:宮階織物株式会社
品 種:絵羽
柄 名:金彩更紗柄
技 法:紋紗織に銀彩加工
紋紗織の技法で織りあげた着物を、銀彩で加工しました。
繊細でボリューム感のある銀彩加工ですが、大胆な取方で織部分と加工部分を分けることで、メリハリのあるスッキリした着物を実現しました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
経済産業大臣賞
機業名:株式会社秦流舎
品 種:絵羽
柄 名:秋草
技 法:無双紗・横段文様に京型染と暈し染
先練りで織り上げた無双紗・横段文様に秋草文様を白で描きました。これを下衣とし、黒一色に染めた無双紗の無地をかさねています。
豪華かつ涼感を感じさせる、紗合せの訪問着です。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
日本絹人繊織物工業会会長賞
機業名:塚喜商事株式会社あさぎ事業部
品 種:丸帯
柄 名:紫式部
技 法:紹巴
紫式部の代表作である源氏物語は、世界最古の恋愛長編小説としてかなり人気を博しました。
その源氏物語の第一帖、桐壺から第五十四帖の夢浮橋まで、すべてをこの丸帯の中に収めた豪華な作品です。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
西陣織物産地問屋協同組合理事長賞
機業名:宮階織物株式会社
品 種:コート・羽尺
柄 名:絣地に小紋
技 法:紋紗織
小紋を縦方向に配置し、紗部分を大胆に使って絣地を表現しました。
特にぼかし部分の織の繊細さにこだわって創り、現代的なアートをイメージさせる着物に仕上がりました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
文部科学大臣賞
機業名:株式会社秦流舎
品 種:着尺
柄 名:アールヌーヴォ唐草に七宝市松
技 法:先染紋織御召に京染
先染めで織り上げた紋織御召です。
アール・ヌーヴォの唐草を創作した地紋に、京型染で市松どりの七宝紋様を施しました。
織柄の唐草と、染の七宝文様の二つの文様を融合・調和させた作品です。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
中小企業庁長官賞
機業名:株式会社秦流舎
品 種:コート・羽尺
柄 名:天の川(流れ格子)
技 法:無双紗に京型染と暈し染
先練り縞経で織り上げた、極薄の本紗の御召です。
縞紋様の直線と、後染めの曲線の対比を取り込んで調和を追求するとともに、趣深い染織品を目指しました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
京都市長賞
機業名:佐藤織物株式会社
品 種:コート・羽尺
柄 名:牡丹唐草
技 法:綟織・縞
通常の経糸の中に、山繭を一定間隔に入れて白生地を製織し、流水様のぼかし染めを施しました。山繭と通常の糸との、染色による色の違いが魅力の商品です。さわやかな色合いの配色による、染と織の融合されたものに仕上げました。
牡丹の柄の地紋も、自社内でデザイン・製紋しています。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
製造産業局長賞
機業名:川端有限会社
品 種:男もの
柄 名:かすり
技 法:畦地
男ものの着物地としては珍しく、薄地の生地を製造しました。袷はもちろんのこと、単衣で縫製していただくと、夏物として着用可能な生地となっております。
幅広いお客様に楽しんでいただけるのではと思い、製造しました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 きもの部門
京都府知事賞
機業名:有限会社島田機業店
品 種:着尺
柄 名:縞片ぼかし
技 法:御召
縞の幅を太いところから徐々に細かくし、立体感を出した縞御召です。
ジャカードを使わない、昔ながらの織技法で製織しています。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
文部科学大臣賞
機業名:有限会社中村源織物
品 種:小巾袋帯
柄 名:お酒巡り
技 法:二種類の経糸
お酒を飲めない織元が、お酒好きな人に依頼されてより10年以上の月日を超え、制作しました。器など直接的な表現を避け縁起のいい稲穂・麦・葡萄の原材料でお酒を表現し、裏はお酒の銘柄を樽の中に描きました。
金糸と絹の二重経を独自の織組織で織り上げた小巾帯。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
近畿経済産業局長賞
機業名:酒井守
品 種:手織帯
柄 名:稜線
技 法:手織すくい
頂上から見た遠くまで続く山の稜線を、手織りの技で表現しました。
未来へつなぎたい。守りたい。
残したい。この感性と技を。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
京都市長賞
機業名:河瀬満織物株式会社
品 種:なごや帯
柄 名:菜果
技 法:畦織
鴨が葱を背負って来る。今にでも美しい料理へと姿を
変えそうな野菜たちを表現しました。
シンプルなデザインながらも、フレッシュで瑞々しい
色遣いが魅力の一品です。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
京都府知事賞
機業名:泰生織物株式会社
品 種:夏帯
柄 名:流型紋
技 法:スクイ織
夏のスクイ織の大作です。色と金で流型を描きました。緯糸には絹のリボンを用い、とても軽い帯になりました。
単衣・夏ものとお締めいただける、スクイ織の逸品です。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
製造産業局長賞
機業名:泰生織物株式会社
品 種:袋帯
柄 名:松虎文様
技 法:スクイ織
阪神タイガース日本一おめでとう!!にふさわしい帯になりました。
金糸経にたくさんの色糸とさまざまな金箔、金糸を用い、スクイ織で勇猛な虎を描きました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
京都織物卸商業組合理事長賞
機業名:おおば
品 種:袋帯
柄 名:百代の薫り
技 法:綾織緯錦
唐織の技法で、咲き乱れる菊を表現しています。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
京都原糸商協同組合理事長賞
機業名:株式会社田村屋
品 種:袋帯
柄 名:花と蔓草
技 法:
19世紀、英国で活躍した思想家・芸術家の一人であったウィリアム・モリス。彼と出会い親交を深めたウィリアム・ド・モーガンは、モリス商会のタイルを数多く製作しています。そのデザインの一つである「花と蔓草」をモチーフにした帯です。
有名な曲に「瑠璃色の地球」がありますが、瑠璃色などの青で配色をし、平和で美しい地球への思いを込めました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
京都商工会議所会頭賞
機業名:藤林織物
品 種:袋帯
柄 名:南蛮船
技 法:螺鈿細工
松原覗く海原を、威風堂々と風を受け帆を張る南蛮船。細部の部分までこだわり、螺鈿細工にて織り込みました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
日本絹人繊織物工業会会長賞
機業名:藤林織物
品 種:袋帯
柄 名:サイノス
技 法:螺鈿細工
三羽の鳥を自由に描き、遊びと動きを螺鈿にて織り込みました。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
内閣総理大臣賞
機業名:とみや織物株式会社
品 種:袋帯
柄 名:プラハ城
技 法:畦織
「百塔の街」「千年の都」「建物の博物館」などいくつもの異名を持つチェコのプラハ、その中でも最大の名所であるプラハ城。その夜景を光沢のある箔や金糸を使い、織り上げました。
伝統ある建物は異国への旅情をかきたててくれます。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会会長賞
機業名:株式会社西陣まいづる
品 種:夏帯
柄 名:唐華 月に藤
技 法:ヌレヌキ織
夜空を灯す月あかりをバックに、藤の花を浮き織で表現しました。
ヌレヌキ織で夏帯本来のシャリ感を出した涼しげな地色の五越は、凛とした着物姿を醸し出すことでしょう。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
近畿経済産業局長賞
機業名:株式会社西陣まいづる
品 種:手織帯
柄 名:鱗結彩麗文
技 法:スクイ織
吉祥の鱗文を幾何学的に構成し、タテ・ヨコともに色数を通常の数倍にして、カラフルで明るい表情を手織りで表現しました。別の色糸・リボンでタテ糸をまとめてくくる結び織で窓開き部分を作り、小さな櫛で横糸を詰めて綴を織り込みます。織手自ら、色糸とリボン箔をより合わせ続ける時間と技術、細い部分が割れないようスクイ織り続ける手数と技能が光る、伝統工芸士が手技を尽くした西陣手織帯の逸品です。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
京都市長賞
機業名:株式会社梅垣織物
品 種:袋帯
柄 名:琳派色紙競花文
技 法:引箔手越技法
琳派の屏風絵に見られる草花文様を、色紙取りにしました。力強い畦地の生地に、繊細な草花文様を、本金本漆の引箔で織り出しました。土台となる漆に馴染み、引箔の質感を上げる「縁付け」、三種の箔を織り込む「手引き」、手機のように多くの色糸を織り込める「手越し」の技法を用い、力織機を用いながらも、伝統工芸の要素を多分に加えた梅垣らしい帯です。織表現が難しい写実的な琳派文様を扱った点でも、西陣織の最高レベルにある帯と自負しています。
西陣織工業組合設立50周年記念2023西陣織大会 入賞作品 帯部門
西陣織物産地問屋協同組合理事長賞
機業名:株式会社桝屋髙尾
品 種:袋帯
柄 名:正倉院金銅幡
技 法:黄鈍
地組織には徳川美術館蔵の名物裂「黄鈍(おうどん)」に見られる経浮きが特徴的な織組織を採用。柄は正倉院宝物の中の黄銅幡をモチーフにしています。透かし彫などが施された豪華な作りを織物で表現しました。経糸の美しさや本金箔の豪華な輝きを存分にお楽しみいただける1本です。